研究に没頭した学生時代

獣医師になったきっかけは動物が好きだったことももちろんありますが、小さい頃から理科や生物の授業が好きだったので、理系の知識を活かすことが出来て、より深く学べるような仕事に憧れがありました。
獣医なら動物にも関わりながら研究も極めることが出来ると思い、地元の獣医学部を受験しました。
大学3年生からは病理学研究室に所属し、たとえば亡くなってしまった動物の病変がどういった過程でつくられたのかなどを、細胞レベルで分析をするような研究を行なっていました。
地味に見られがちですが、小さくて細かい細胞の中にはすさまじい量の情報が詰まっていて、ただ見るだけでは分からない世界が広がっています。
そんな世界に魅了されて、朝晩関係なく研究室に入り浸っていました。

感謝の気持ちを実感できる仕事
動物病院に就職を決めたのは、直接「ありがとう」と言ってもらえることが一番のモチベーションになると思ったからです。大学時代に接客のアルバイトもしていたこともあり、直に感謝の言葉をもらえることにやりがいを感じて、お礼を言ってもらえることが仕事の一番の目的だと感じるようになりました。動物病院の獣医師以外の職業ですと、お礼を言ってもらえる機会はあっても自分が思っているものとは少し遠いのかなと。
現在もできるだけたくさんありがとう、と言われるような仕事をしたいと思っています。
当院に就職する前は津山にある病院で勤務をしていました。その頃から2ヶ月に一回、山陽動物医療センターの勉強会に参加していて、山陽動物医療センターの症例に対する姿勢や全国でも有名な院長の存在もあり、縁あって当院に入職することになりました。
極めた専門性で安心していただける医療を
私は現在腫瘍科と眼科を専門分野としています。
眼科診療に関しては県内外の眼科が得意な先生の病院に研修に行って実際に技術を習得したり、セミナー学会への参加で知識をつけたりしており、今では院内紹介という形で山陽動物医療センターの眼科分野を任せていただいております。また腫瘍科では認定医を取得し、しっかりとした知識を持って対応しております。
一貫性を持った治療と教育

後輩の先生に対してはできる限り一貫性を持って教育をしていきたいと考えています。私はいくつか他の病院も経験してきたので、様々な考え方や知識も身に付いてはいますが、当院では院長の教えが第一に軸としてあるので、教育面でもそこを軸に指導ができるように意識をしています。
最近の若い方はコミュニケーションが得意な方が多いなと思いますし、後輩の先生たちも本当に優秀だと感じています。ただ実際に臨床をしてみると、やっぱり机の上で勉強していたことと実際にやってみることは違うので、私が新人だった頃と同じような悩みを抱えることがあるのかなと思います。
そのような後輩の不安を払拭できるよう、フォローが出来るように日々心がけています。
飼い主様との会話を大切に

診療にあたっては飼い主様と積極的にお話をする、ということを大事にしています。特に当院の場合は獣医が何人もいますので、主治医がいないということを心配される飼い主様もいらっしゃると思いますが、院内で情報共有して、一貫性を持って治療にあたっているので安心して、お話をしていただきたいです。
目の前の飼い主様から「ありがとう」と言ってもらえるような仕事をする、ということを今後も大事にしていきたいです。